概要
【調査趣旨】 ◆2018年度の化粧品市場は、前年度比2.0%増の2兆4,556億円となっている。近年の同市場については、外国人観光客によるインバウンド需要は徐々に落ち着きがみられるものの、“シワ改善コスメ”などに代表される高機能スキンケア製品を各社が投入したことで国内需要は微増で推移した。しかし、近年は市場の飽和状態が続き、加えて消費者ニーズの多様化・細分化が進んでいることから、今後も大きな成長は見込みにくくなっている。 ◆このため各社は研究開発への投資を積極的に行い、自社技術の向上や、異業種企業・大学・外部機関などとの連携によるオープンイノベーションの推進に取り組むことでイノベーションの発揮のみならず、一層の効率化とスピードアップ化を図っている。 ◆研究開発面では、消費者が求める@安心・安全性、A機能性、B感性・官能性の三位一体が必須テーマとなっており、@については生体に近い皮膚モデルや培養皮膚を活用したより質の高い安全性評価、Aについてはデジタル技術やテクノロジーを活用した化粧品・美容機器・美容サービスなどの開発、Bについては脳科学研究の視点を取り入れた感性研究への注力が進んでいく見込みである。 ◆このほか、今後の研究開発におけるキーワードとなるのが、『クリーン&グリーン・ビューティ』である。近年は安心安全志向に加え、消費者の間でも環境保護に対する意識が高まっていることから、人にも環境にも優しい化粧品への注目が集まっており、研究開発の段階から環境保護への取り組みを意識することが不可欠となっている。 ◆『クリーン&グリーン・ビューティ』の「クリーン」は主に環境保護、「グリーン」は主に植物由来成分の使用を意味し、具体的なアプローチ方法は脱プラスチックに向けた化粧品容器の開発や動物実験の代替案検討、有効成分や基剤などの化粧品原料における天然・植物由来原料の採用や代替原料の検討、オーガニック・ヴィーガンコスメの開発など多岐にわたる。今後の化粧品のR&Dにおいては、この『クリーン&グリーン・ビューティ』の考えをベースに、@安心・安全性、A機能性、B感性・官能性といった面での研究力や技術力を向上させ、差別性の高い化粧品開発を行うことが重要なポイントとなってくるものとみられる。 ◆当資料では、主要化粧品企業のR&D戦略を、組織体制、R&D費・人員、注力テーマ、特許、産学官との提携状況などから多角的に分析。さらに、海外市場への対応や新規事業の取り組みについても取り上げ、主要各社の今後の展望についてレポートしている。 【調査期間】 2019年11月〜2020年2月 目次 【調査概要】 【集計・分析編】 1.市場概要 1)調査背景と目的 2)調査対象範囲 3)調査対象企業 4)調査方法 2.化粧品の市場規模推移 1)総市場 2)主要企業の業績 3)分野別・カテゴリー別市場 3.主要企業のR&D体制 1)主な国内拠点 2)海外市場に対する取り組み 4.主要企業の戦力分析 1)主要企業のR&D費および対売上高比 2)主要企業のR&D人員および人員比率 5.主要企業の研究開発動向 1)スキンケアの研究開発動向(抗老化、美白、UV、毛穴、敏感肌、保湿、ニオイ、自然派) 2)メイクアップの研究開発動向(ベースメイク、ポイントメイク) 3)ヘアケアの研究開発動向(ヘアケア、ヘアカラー、ヘアスタイリング、育毛・頭皮) 4)新規事業の研究開発動向(美容・健康食品、再生医療(美容医療)) 5)その他の研究開発動向(化粧品原料、感性・官能性、動物実験代替法・安全性評価、デジタル分野、先端技術、環境配慮) 【主要企業の研究開発動向一覧】 6.主要企業の特許分析 1)公開特許件数 2)提携状況 7.今後の方向性 1)化粧品のR&Dの方向性 2)主要企業の今後の展開 【個別企業編】 ◆株式会社資生堂 ◆花王株式会社 ◆株式会社コーセー ◆ポーラ化成工業株式会社 ◆株式会社ノエビア ◆日本メナード化粧品株式会社 ◆株式会社ファンケル ◆日本ロレアル株式会社 ◆株式会社マンダム ◆ロート製薬株式会社 ◆ライオン株式会社 ◆株式会社ミルボン ◆株式会社ナリス化粧品 ◆株式会社アリミノ ◆ホーユー株式会社 ◆クラシエホームプロダクツ株式会社 ◆富士フイルム株式会社 ◆株式会社ちふれ化粧品 ―調査項目 ※一部異なる― 1.企業概要 2.研究開発体制 1)R&Dに対する基本方針 2)組織図 3.R&D費およびR&D人員 4.研究開発動向 1)近年の主な研究開発成果 2)主な特許の公開状況 5.今後の展開 資料体裁:A4判237頁 発刊日:2020年3月9日 ![]() おすすめ商品
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