2025年　東南アジアの化粧品市場

ーECの普及と海外トレンドの浸透で変わる7ヶ国のいまー

調査概要
【調査主旨】
◆東南アジアの主要7ヶ国（インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナム、シンガポール、ミャンマー、カンボジア）における2024年の化粧品市場は、前年比9.8％増の1兆2,752億円で推移している。同地域では、美容・健康意識の向上や経済発展に伴う可処分所得の増加などを背景に継続的に成長。2022年に初めて1兆円を突破し、直近10年で市場規模は約1.7倍に拡大している。

◆ 国別の動向をみると、インドネシアは前年比13.8％増の5,123億円で推移。中間所得者層の拡大により、美白やエイジングケア、ニキビケアを謳った機能性化粧品が堅調に推移しているほか、若年層を中心にハラル化粧品需要が拡大。さらに、2026年には化粧品のハラル認証取得が義務化されることから、参入各社にとっても大きな転換点を迎えている。また、タイは前年比7.4％増の4,272億円で推移。同国では伝統ハーブによる美容施術が根付いていることから、自然派訴求の化粧品ニーズが高いことにくわえ、近年は皮膚科学を謳ったスキンケアや高齢化の進行を背景とするエイジングケア化粧品が市場全体の成長を後押ししている。

◆マレーシアは前年比8.8％増の1,304億円で推移。国民の大半がムスリムであることから、インドネシア同様にハラル化粧品の需要が年々高まっていることにくわえ、ヒジャブ着用による頭皮のフケ・痒みのケアなど、同国特有のニーズに寄り添った商品提案も増えている。このほか、ベトナムは前年比8.1％増の946億円で推移。同国においても従来より美白ニーズが高かったが、近年は韓国アイドルのような透明感を重視する傾向が強まっている。

◆ シンガポールは前年比3.5％増の672億円で推移。可処分所得の高さから高価格帯ブランドの需要が大きく、近年はエシカル消費やクリーンビューティなど多様なニーズが広がっている。また、ミャンマーは前年比2.4％増の304億円で推移。市場の潜在性は大きいものの、政情不安により成長速度は鈍化している。ただし、『Thanaka』などの伝統美容習慣が根強く、国民の美容意識は高いことから将来的な伸びしろは大きい。このほか、カンボジアは前年比5.6％増の131億円で推移。市場規模は小さいながら、経済発展や韓国コスメを中心とした海外トレンドへの関心の高まりを背景に、今後は東南アジア全体平均以上の成長が期待される。

◆ 販売面では、インターネットの普及により『Shopee』や『Lazada』といったECチャネルの拡大が市場を牽引しているほか、近年は『TikTok Shop』などのSNS連動型プラットフォームの存在感も強まっている。また、商品面では世界的なK-Beautyブームの影響により韓国ブランドが人気を集めているほか、メイクアップでは中国ブランドの台頭もみられるなど、海外トレンドの影響が強まっている。

◆当資料では、今後も引き続き成長が見込まれる東南アジアの化粧品市場について、調査対象国における消費者の化粧特性や、現地企業および欧米・日系企業など海外企業の参入動向と展開ブランド、売上高、今後の展望などについて多角的に分析している。

【調査期間】
2025年8月～2025年11月

目次
調査項目（総市場編）
1．調査概要
2．主な参入企業
　　2-1. 現地企業
　　2-2. 欧米系企業
　　2-3. 日系企業
　　2-4. その他アジア系企業
3．化粧品市場規模分析
　　3-1. 全体
　　3-2. 国別
　　3-3. 企業別
　　3-4. ブランド別
　　3-5. チャネル別
　　3-6. 分野別
　　3-7. 種類別
4．商品トレンド
　　4-1. 美白ケア
　　4-2. エイジングケア
　　4-3. ハラル化粧品
　　補足：化粧品のハラル認証
　　4-4. ニキビケア
　　4-5. ヘアケア
　　補足：成分トレンド
5．販売チャネル
　　5-1. オフラインチャネル
　　5-2. オンラインチャネル
6．今後の展開

調査項目（国別編）
◆インドネシア
1．化粧品市場の概況
2．国民の化粧特性
3．化粧品市場の沿革
4．主要企業の参入状況
　　4-1．現地企業
　　4-2．欧米系企業
　　4-3．日系企業
　　4-4．その他アジア系企業
5．化粧品の市場規模
　　5-1．全体
　　5-2．企業別
　　5-3．ブランド別
　　5-4．チャネル別
　　5-5．分野別
　　5-6. 種類別
6．商品トレンド
　　6-1．美白ケア
　　6-2．エイジングケア
　　6-3．ハラル化粧品
　　6-4．ニキビケア
7．販売戦略
　　7-1．チャネル動向
　　7-2．販促活動
8．今後の展開
　　8-1．市場規模予測
　　8-2．各社の今後の動向
◆タイ
1．化粧品市場の概況
2．国民の化粧特性
3．化粧品市場の沿革
4．主要企業の参入状況
　　4-1．現地企業
　　4-2．欧米系企業
　　4-3．日系企業
　　4-4．その他アジア系企業
5．化粧品の市場規模
　　5-1．全体
　　5-2．企業別
　　5-3．ブランド別
　　5-4．チャネル別
　　5-5．分野別
　　5-6. 種類別
6．商品トレンド
　　6-1．美白ケア
　　6-2．エイジングケ
　　6-3．自然派化粧品
　　6-4．敏感肌ケア
　　6-5．UVケア
　　6-6．抜け毛・ダメージケア
7．販売戦略
　　7-1．チャネル動向
　　7-2．販促活動
8．今後の展開
　　8-1．市場規模予測
　　8-2．各社の今後の動向
◆マレーシア
1．化粧品市場の概況
2．国民の化粧特性
3．化粧品市場の沿革
4．主要企業の参入状況
　　4-1．現地企業
　　4-2．欧米系企業
　　4-3．日系企業
　　4-4．その他アジア系企業
5．化粧品の市場規模
　　5-1．全体
　　5-2．企業別
　　5-3．ブランド別
　　5-4．チャネル別
　　5-5．分野別
　　5-6. 種類別
6．商品トレンド
　　6-1．美白ケア
　　6-2．エイジングケア
　　6-3．ハラル化粧品
　　6-4．ニキビケア
　　6-5．頭皮ケア
7．販売戦略
　　7-1．チャネル動向
　　7-2．販促活動
8．今後の展開
　　8-1．市場規模予測
　　8-2．各社の今後の動向
◆ベトナム
1．化粧品市場の概況
2．国民の化粧特性
3．化粧品市場の沿革
4．主要企業の参入状況
　　4-1．現地企業
　　4-2．欧米系企業
　　4-3．日系企業
　　4-4．その他アジア系企業
5．化粧品の市場規模
　　5-1．全体
　　5-2．企業別
　　5-3．ブランド別
　　5-4．チャネル別
　　5-5．分野別
　　5-6. 種類別
6．商品トレンド
　　6-1．美白ケア
　　6-2．エイジングケア
　　6-3．ニキビケア
　　6-4．頭皮ケア
7．販売戦略
　　7-1．チャネル動向
　　7-2．販促活動
8．今後の展開
　　8-1．市場規模予測
　　8-2．各社の今後の動向
◆シンガポール
1．化粧品市場の概況
2．化粧品市場の沿革
3．主要企業の参入状況
4．化粧品の市場規模
　　4-1．全体
　　4-2．分野別
5．商品トレンド
6．販売戦略
7．今後の展開
　　7-1．市場規模予測
　　7-2．各社の今後の動向
◆ミャンマー
1．化粧品市場の概況
2．主要企業の参入状況
3．化粧品の市場規模：全体・分野別
4．商品トレンド・販売戦略
5．今後の展開：市場規模予測
◆カンボジア
1．化粧品市場の概況2．主要企業の展開動向
3．化粧品の市場規模：全体・分野別


【資料体裁】
A4判280頁

【発刊日】
2025年11月28日