2025年　欧米化学メーカーのR&D戦略調査
ー社会課題の解決と価値創出を両立するイノベーション戦略ー

調査概要
【調査主旨】
◆世界の化学産業は、脱炭素化や電動化、循環型経済への転換といった社会的要請の高まりを背景に、大きな構造変化の局面を迎えている。欧米の主要化学メーカーでは、エネルギー転換や資源制約、環境規制強化などの外部環境に対応するため、研究開発（R&D）の方向性を抜本的に見直し、持続可能性と収益性の両立を目指した戦略的投資を進めている。従来の石化依存型ビジネスモデルから脱却し、再生可能原料、バイオ由来素材、CO₂利用、分子リサイクル、電池関連材料、半導体向け機能性材料など、次世代産業を支える高付加価値分野へと研究開発の重点を移行させている。

◆近年の業績推移を見ると、欧米主要16社の売上高の合計は2022年に48.0兆円、2023年に44.4兆円と減少したが、2024年には47.0兆円へ回復しており、構造改革と成長投資の成果が徐々に表れ始めている。また、研究開発費の合計は2022年の9,637億円（売上比2.0%）から2023年に1.1兆円（同2.5%）、2024年には1.2兆円（同2.6%）へと増加しており、景気変動下でもR&D投資を強化する傾向が明確になっている。これらの動向は、各社がイノベーションを長期的な競争力の源泉と位置づけ、事業ポートフォリオの再編や研究開発体制の再構築を通じて、成長領域への集中を進めていることを示している。

◆欧州企業では気候変動対応や規制遵守を起点とするグリーンケミストリーへの転換が進む一方、米国企業では電池材料、先端樹脂、機能性ポリマーなど新市場の創出を目的とした応用研究の強化が目立つ。さらに、デジタル化やAI解析、マテリアルズ・インフォマティクスの導入による開発効率の向上、大学やスタートアップとのオープンイノベーション、地域拠点を活用したグローバルR&Dネットワークの強化など、研究の在り方そのものにも変革が見られる。近年は、顧客ニーズの変化を起点とするマーケットイン型の開発体制や、複数分野の技術を組み合わせたマルチプラットフォーム型R&Dモデルの構築も進み、顧客密着型の価値創出を重視する傾向が強まっている。これにより、化学メーカーは素材供給者からソリューション・プロバイダーへと進化しつつある。

◆本調査レポートは、欧州および米国の主要化学メーカー16社を対象に、研究開発事業の全体的な現状と今後の方向性を把握することを目的に、各企業の同事業における戦略を多角的に調査・分析。具体的には、各社の企業概要、研究開発費・人員、研究開発体制、研究開発動向、特許出願状況、研究開発戦略・計画についてレポートしている。

【調査期間】
2025年6月～9月

【調査項目】
1.　調査対象範囲
　1）調査目的
　2）調査対象企業
　3）調査対象期間
　4）調査方法
2.　業績比較
3.　研究開発費・人員
　1）研究開発費比較
　2）研究開発人員比較
4.　研究開発動向
5.　特許出願状況
6.　研究開発戦略・計画　

【調査項目（個別企業編）】
1．企業概要
2．研究開発費・人員
3．研究開発体制
　1) R&Dにおける基本方針
　2) R&D拠点　
4．研究開発動向
5．特許出願状況
6．研究開発戦略・計画

【個別企業編】
Akzo Nobel
Arkema
BASF
Celanese
Clariant
Covestro
Dow
DSM-Firmenich
DuPont
Eastman
Evonik
Henkel
LANXESS
LyondellBasell
PPG Industries
Syensqo

【資料体裁】
A4判187頁

【発刊日】
2025年10月24日