2025年　インドの農薬市場と各社の事業戦略

ー急成長している農薬大国の市場に迫るー

調査概要
【調査主旨】
◆インドの農薬市場は近年、急速な成長を遂げている。2024年度の市場規模は前年度比6.6％増の4,607億円となった。インドでは全人口の半数以上が農業に従事しており、生活水準の向上に伴って農業の商業化・効率化が進展している。さらに、インド政府が推進する「Make in India」政策を背景にインド国内の製造基盤が強化され、農薬の安定供給体制が構築されて市場拡大を後押ししている。また、農薬輸出市場も拡大傾向にあり、インド産農薬がアジア、欧州、北米、南米などグローバルで存在感を高めている。

◆今後も安定的な成長が期待されるインド農薬市場では主要各社が販売拡大に向けた取り組みを積極的に行っており、中でも日本企業は現地の子会社を最大限に活用した戦略を進めている。例えば、日産化学においては現地法人のNissan Agro Tech India社にて環境対応型の高品質な製品を強みにインド市場への浸透を進めている。同子会社の競合となる中国製品やジェネリック農薬に対して、独自の農薬原体を活用した高品質および環境対応型農薬に特化した差別化戦略を図っている。

◆日本企業の住友化学においても現地子会社の住友化学インド社が中心となってインド農薬事業を展開している。同子会社では中国製品との競争に勝つために農家との直接的なコミュニケーションを実施している。具体的にはインド各地で販売チームに100日間、毎日農家へ訪問するエブリデーファーマーデイプログラムを開始。この取り組みで50万人以上の農家と対話を行い農家との信頼関係を構築している。

◆また、海外企業のシンジェンタや現地企業のUPLなどの大手農薬メーカーにおいても生物農薬やバイオスティミュラントなどの低負荷環境の農業資材を含めた販売活動や、ドローン農薬散布などのデジタル農業を含めたトータルソリューションを提案している。そのため、インド農薬市場は主要各社が顧客獲得に向けた競争がより一層激化していくと予測される。

◆本レポートでは、ビジネスチャンスが大きいインド農薬市場を調査。市場編では農薬市場の概況、農薬市場の変遷、主要メーカーの製品展開状況、農薬登録状況、農薬流通体制、農薬市場規模推移、今後の市場性を調査・分析している。一方、個別企業編では日本企業や外資系企業、主要現地企業の事業概要、販売高、主要拠点、製品展開、今後の展開などについても調査を行っている。

【調査期間】
2025年8月～9月

目次
【調査項目（総市場編）】
1．調査概要
　1-1. 調査背景
　1-2. 調査対象企業
　1-3. 調査対象製品
　1-4. 調査方法
2．インドの農薬市場の概況
　2-1. インドの基礎概要
　2-2. インドの農業事情
　2-3. インドの農薬登録制度
　2-4. インド農薬市場のPEST分析
3．インド農薬市場の変遷
4．主要メーカーの製品展開状況
　4-1. ブランド
　4-2. 有効成分（殺虫剤、殺菌剤、除草剤）
5．インドの農薬登録状況
　5-1. 新規農薬登録（製品・製剤）
　5-2. 新規農薬登録（有効成分）
6．インドの農薬流通体制
7．インドの農薬市場規模推移
　7-1. 種類別
　7-2. 企業別
8．今後の市場性
　8-1. 市場規模予測
　8-2. 主要メーカーの今後の取り組み
　8-3. インド農薬市場の戦略的ロードマップ

【個別企業編】
•石原産業株式会社
•クミアイ化学工業株式会社
•住友化学株式会社
•日産化学株式会社
•日本曹達株式会社
•日本農薬株式会社
•三井化学クロップ＆ライフソリューション株式会社
•BASF SE
•Bayer CropScience AG
•Corteva, Inc.
•FMC Corporation
•Syngenta Group Co., Ltd
•UPL Limited
•PI Industries Limited
•Bharat Group
•Sharda Cropchem Limited
•Tagros Chemicals India Pvt. Ltd.
•Indofil Industries Limited
•Coromandel International Limited
•Krishi Rasayan Group
•Crystal Crop Protection Limited
•Rallis India Limited
•Insecticide India limited
•Best Agrolife Ltd
•NACL Industries Limited
•MEGHMANI ORGANICS LTD
•Dhanuka Agritech Limited
•その他企業

【資料体裁】
A4判130頁

【発刊日】
2025年9月26日